2023/12/31

晦日。昼まで寝て、スーパーに買い物に行き、沢山材料を買って風呂に入り、お寿司をつまみながらローストビーフを作っていた。この鉄フライパンは使い始めてもう3年になるけど、初めてデカい肉を焼いた。でけ〜。タイマーをセットしようとしたら、このラインが来ていて驚いた。

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年賀状を描いたあと、家を出た。電車に乗っているのはわたしと、今から年越しカウントダウンをすると思われるカップルだけだった。わたしもよく南武線に乗って恋人の家に向かっていた。上京してから毎年当時の恋人の実家で年末年始を過ごしていたので、新鮮。今から友達の家に行って蕎麦を作ったら終電には乗れないので、必然的に一緒に年越しをすることになる。ちょっとわくわくする。海老とキッチンペーパーを買ってきてと頼まれたので、西友に行った。ほとんど売り切れていて、刺身用の甘海老と茹でた海老と、大きいパックのブラックタイガーしか売ってなかった。それを買った。その頃にはもう23:40だった。早くしなきゃ。海老を持って友達の家に向かう最中、銭湯を2軒見つけた。こんな場所に住めたら最高だろうな。

呼び鈴を鳴らすと友達が開けてくれた。物で溢れかえっている。人の家の匂いってあるけど、なぜか匂いがしなかった。奥に入っていくと知らない人がいた。目が合って数秒の沈黙が流れた。最近人に沢山会っていたので忘れていたけど、そういえばわたしは人見知りなんだった。自己紹介をしたら、キムタクという嘘の名前を教えてくれた。「なんて呼ばれてる?」と聞かれたので「人によって違う」と言ったら、斉藤と呼ばれることになった。「これよかったら」と野草を差し出された。「どうやって食べたんですか?」と聞いたら生だという。多摩川下流の方で採ったハマダイコンらしい。キッチンの方から友達に呼ばれたので見たら、蕎麦粉が置いてあった。まさか粉から蕎麦を作るの?水を入れすぎたせいで粘り気が強くなってしまい、キムタクは「これは蕎麦よりトルコアイスに近い」と言った。友達は「じゃあ路線変更してそうするか」と言っていて笑った。気づいたらとっくに年を越していた。「年越しに間に合わなかったね」と言ったら、「年越しする瞬間に蕎麦を食べる方が邪道だろ!年越しの瞬間に蕎麦を作っているからこれこそが本来の年越し蕎麦だ」と主張していた。納得しかけた。

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わたしは蕎麦作りに飽きた(そもそも見てるだけだった)ので、暇つぶしになればと持参した毛糸とかぎ針を取り出し、何かを編むことにした。そもそも大人数と知らない人が苦手なのでひとりぼっちになる可能性を危惧していた。黙々と編み始めたら、かなり集中できた。途中、ガチャっと音がしたので見上げたら友達に拳銃を突きつけられていたので驚いた。でもそのまま無視して編み物を続けた。

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2つ分の毛糸を使い切りそうになって、とうとうやることがなくなった頃、お待ちかねの蕎麦が出てきた。美味しかった。ちゃんと蕎麦だった。ハマダイコンをすりおろしたものと一緒に食べたら、結構辛くて驚いた。おつゆが飲みたかったのでお玉があるか聞いたら、ないという。この家には電車の吊り革はあるのにお玉はない。前に遊びに行った友達んちもそうだった。これが世界の常識なのか?細長いハマダイコンは、大根とわさびの間の味がする。その後も蕎麦の生地を丸ごと茹でた蕎麦がきという食べ物、ハマダイコンのきんぴら、カラシナのおひたしなど野草料理でもてなしてくれた。蕎麦がきはやわらかいコンクリートの味がした。この中ではハマダイコンのきんぴらが一番美味しかった。お弁当のおかずに入れてほしいので、タッパーで作り置きしてほしいと懇願したら、「あなたの近所はとり放題だから自分で作ったらいいよ」と言われた。

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3:00を回り、暇そうにしているキムタクと絵しりとりをすることにした。結構白熱したが、眠くなってきたので仮眠を取った。

パチパチという音がして起きた。海老を揚げてる音を聞きながら、物で溢れかえっている中、唯一見えている床に転がっていた。早朝5時に人が料理している音を聞きながら眠るのは幸せだ。雨の音に次ぐベスト入眠BGM。寝起きで食べる海老の天ぷらはとても美味しかった。海老のポテンシャルすげー。その間2人のサバイバル話を聞いていたら、今度はウシガエルを食べたいねという話になった。

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片付けをしていたらすっかり朝になっていたので、初日の出を見た。

近所の神社で初詣をした。