枝見

大切な人から新曲のデモが送られてきた 今日みたいな曲だった 春の始まりみたいな、少し不安でわくわくする曲

帰りの電車で泣いてしまった

居ても立っても居られなくなって、「今からお花見しよう!」と連絡した

彼から初めて作った曲を聴かせてもらったのはたしか高校3年の春だった

同じライブで出会った私達は、SNSだけで繋がっていて、ライブハウスでしか会うことがなかった 彼の作った初めてのCDのジャケットにアートワークを描いた

高校を卒業して、すっかり存在なんて忘れたまま数年経った

ある日「〇〇さんですか?」とTwitterから連絡が来て、あの時の彼だと知った

隣駅に住んでいることがわかって運命だと思った

6年の時を経て、またこうして昔みたいに、隣で好きな音楽を聴いた

 

彼の作った曲を聴いて胸がぎゅっとする

またこうして話せることが嬉しい

信濃川じゃなくて、多摩川

雪なんてない街で、雪どけの濡れたアスファルトと田んぼを思い出す

 

今日お花見しながら編んでて、暗くなってきたから「…照らして?」って言ったら「おしゃれな告白?」と言われた

 

私が質問してるわけじゃないのに無口っぽい友達が自分のこといっぱい話してくれると泣きそうなほど嬉しい

 

明日も編んだり描いたりする

みんなのことが大好きで、大切だけど、紛れもなく彼は特別大切な人だ